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研究内容の紹介

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目標

この研究室では心と脳の関係を比較研究を通じて理解しようとしています。心的機能のあるものには機能的収斂が見られます。たとえばヒトと鳥類における発達した視覚認知などがその例です。しかし、その機能を実現している脳構造は異なっています。つまり構造的放散があります。機能(心理現象)と構造(脳)がそれぞれどのような系統発生的随伴性によって出現したのかを収斂と放散の比較研究によって理解するのが研究室の究極の目的です。

研究対象

現在、無脊椎動物からヒトまでを研究対象としています。ヒト以外の種では哺乳類(ラット、マウス)、鳥類(ハト、ブンチョウ、インコ、カラス)、魚類(キンギョ)を用いた研究を行っています。霊長類(チンパンジー、マーモセット)の研究は、京都大学霊長類研究所や理化学研究所など他の研究機関の協力を得て行っており、本研究室ではそれらの動物を飼育していません。

研究領域

以下の領域が相互に補いあって全体の研究を進めています。本研究室の学生は同時に複数の領域の実験をしているのが通例です。

  1. 行動研究:行動研究がすべての研究の基礎にあります。主として比較認知科学といわれる分野での研究が行われており、動物の視覚認知、聴覚認知、記憶、論理などが調べられています。
  2. 神経科学:システムレベルでの研究です。動物での損傷研究がもっとも盛ですが、電気生理、脳血流測定なども行われています。基本戦略は1)で行動研究をした後、その脳内機構を検討する、というものです。今後は人間を対象とした脳画像研究が増えると思います。
  3. 行動薬理学:強化効果と弁別刺激効果の2つが研究テーマです。現在は物質レベルでの研究は展開していません。覚醒剤および麻薬研究者の指定を受けています。
  4. 神経解剖学:行動研究同様に基礎となる研究です。体積研究、神経連絡研究、チトクローム酸化酵素の可視化などを行っています。放射性同位元素以外はほとんどの技法が可能です。今後もっとも力を注ぎたい領域です

海外協力拠点

研究室の卒業生がすでに米国で正教授(University of South Florida)あるいは準教授(Gorgia Medical School)になっていることもあり、いくつかの大学を海外での研究拠点として利用しています。また、それらの大学の大学院やポスドクになっている卒業生も少なくありません。University of Cambridge, University of Exeter, University of Bielefeld, University of Bochum などがその例です。


Last updated on 2006/8/13